ほほえみ
ネットワークニュース
第80号 2007年1月1日発行

 

 「謹賀新年
 
今年は皆様が心癒され、
 共に早春の
まぶしい太陽を仰ぎ見れますように! 

理事長
田代尚嗣

 新年にあたり、今日の我が国の人口構成や世帯構成を調べてみました。

  テキスト ボックス: 例えば世帯数ですが、全世
帯数49,566,305となり、
その内訳は、
 
夫婦と子供世帯 29.9%
 一人暮らし世帯 29.5%
 夫婦のみの世帯 19.6%
 その他の世帯  21.0%
となっています。

(その他の世帯・・母子・父子世帯、娘・息子と両親世帯、夫婦と両親世帯、兄弟・姉妹世帯など)

 出版をやっているものの習性で、毎年、年初にはこのようなマーケットの基礎となる数字としての現状を把握するのを決まりとしてきたからです。その中で、ここ数年気になる数字があります。
 一人暮らしの世帯が30%近くにもなってきているという点です。多分その理由としては非婚化、長寿化していく社会状況に求められるのでしょう。
 そして、このことは少なくとも今後、2030年は微増していくと予測されています。さらに、もうすでに、この数字は今までになかった考え方、行動のあり方、ビジネスのあり方を生んでいるようです。
 思いつくままにあげてみますと、婚姻関係ではない男女のあり方の増加、自分の終末におけるその前後を事前に契約して代行してもらう生前契約、あるいは葬儀についての生前予約の増加、
( のこ ) された動産・不動産などの残務整理業の成立、合葬式墓地への事前加入者の増加などです。
 ここでもすでに、時代に応じて適切に変化し対応していく社会の姿をみることができます。
 伴侶を喪った方々は「一人暮らし世帯」あるいは「その他の世帯」に含まれることになりますが、その合計は50.5%に達しています。  
 そして、
65歳以上の人口が2640万人(全人口の20%)に達し、今後の推定では25年〜30年の間に全人口の40%近くまでになるだろうとされています。また、現在の死別した人の数は男・女の合計で917万5千人となっています。
 当協会では、10年ほど前には伴侶を喪った方は約800万人といってきましたが、すでにそれを120万人近く超えていることになります。
 そして、この数字も年ごとに増えていくことでしょう。
このような時代を背景として、当協会が目的としている人生に於ける最大の悲嘆を、心にのこる人生の「愛しき日々の思い出」に変えていくためのノウハウが問われる時代になってきたし、ますます求められてきていることといってよいでしょう。
 すべての苦しみは 無明 ( むみょう ) の闇(真理について何も知らないこと)から始まると仏教は教えます。そして、あらゆる恐怖は常に無知から生まれるといわれます。
 誰にでも起こり得る死別という精神的危機は、人を危険な危か、再生への機会(チャンス)の機とするかの分かれ道に立たします。
 当協会では「再生」までの道すじはつけました。その意味では、ここまでは「無明の闇」と「恐怖」からは開放されたといえます。
 死別の悲嘆という苦しみを、豊かでなつかしく、はるかな愛しき日々の思い出に変えることこそが、今及びこれから最も、求められている方法なのです。そして、それは私共がやってきた「再生」への道のりの解明・方策と同様、具体的でなければなりません。
 死別で遺されるということは、ある意味で人生に窮した(行きづまり苦しむ)状態といってもよいでしょう。
 「窮すれば通ず」といいますがそうもいかないようです。窮すれば、どこからともなく春風が吹いて、通じさせてくれるということでもないからです。なにごとも窮しただけではどうにもならないのです。
 本来の意味である「窮すれば ( すなわ ) ち変ず。変ずれば ( すなわ ) ち通ず」(易経)でなければ、通ずることは決してあり得ないからです。
 悲嘆からの回復に限らず、どんなことでも、危機に際しては気持ちを変える、変身する、行動を変える、考え方を変えることがなければ、「浮かぶ瀬」(苦しい境遇や気持ちから抜け出すこと)はないのです。そのためには、現状に浸ることなく、もう一歩、たとえ半歩でも前に進むことです。

 伴侶との人生を何にも代えがたい貴重な思い出とし、その力をかりてこれからも生きていくために、今年は是非、勇気を出して今の心のあり方を変化させるように一歩前に出てください。
 私共にはいろいろな活動がありますが、「ミーティング」は皆様の心をシステマチックに変えていくために存在しています。
 そして、談話室、お話会、リライフの会、カラオケクラブ、旅行、フレンドリーダイヤル&メール、その他いろいろな活動や行事は、現状に浸るためにあるのではなく、変化への糸口を見つけるためにあるのです。
 是非、皆様におかれましてはこれらの活動、行事をこれからも大いにご活用ください。  

 

グッドグリーフクラブ(GGC)について 

担当 Y・S

『談話室』のグットグリーフ・クラブは「どんな内容の活動?」の疑問にお答えします。
〈『グッドグリーフ』の意味〉

 
私たちは皆、最愛の伴侶を亡くすという人生において最大の悲嘆(グリーフ)といま向かい合っています。死別は理不尽なことであり、心身ともに大きな苦痛であることは間違いありません。この苦しみはこの先何年続くのでしょうか?一生この苦しみから抜け出すことはできないのでしょうか?そうではないはずです。死別体験、悲嘆、喪失をただ受身のマイナス体験として捉えるのではなく、積極的な良き(グッド)体験に転化する方法はあるのではないか。そして最近、GGCの理念を端的に表現している言葉を見つけました。
 これまで、2500人余りの患者を看取ってきたホスピス医療の第一人者である柏木哲夫先生は著書の中で「人生の中で起こる様々な出来事がたとえ不都合なことであっても、きっと何らかの積極的な意味があるという基本的な信念を持っている人が、自己成長を遂げることができる」と、主張しています。

〈主な活動内容〉

死別体験者がその悲嘆に「適応」するため、GGCは「3つのT」を重視します。つまりTear = 涙、Talk= 語ること、Time = 時間です。1番目の涙を流して泣くことの重要性を示す研究があります。英国のセント・クリストファーホスピスでは患者が亡くなった1年後、遺族に訪問インタビューをしました。その調査によると十分に泣いた人と泣かなかった人ではその後の立ち直りに大きな差があることが分かりました。結果は明白で十分に泣いた人が「グッドグリーフ」をし、そうでないグループはうつ症状や情緒不安定な状態が続いていたそうです。
2番目の語ることは、GGC活動の柱であり「テーマ・トーク」と名付けています。先ず進行役が、参加者に一人5分程度でこの1ヶ月にあった「私の癒し体験」を話してもらうことから始めます。次にその回のテーマについて自由に話してもらいます。例えば、(1)私が感動した本、(2)配偶者との死別体験で気づいたこと、(3)最期の言葉を私はどのように受け止めたか、(4)いまの私を亡き妻(夫)に語る、(5)再婚について等です。その際、未だ辛くて話すことができない方は他の参加者の話を聞くだけでも結構です。
私たちはこのGGCが、誰もが安心して涙を流し、語れる安全な環境、そして3番目のTである大切な時間を参加者が共有できる場であることを心掛けております。私たち一人ひとりはとても弱い存在です。だからこそお互いの苦しみと悲しみに寄り添い、他人の歓びを自らの歓びと感じることができる『共苦共歓』の友でありたいと考えています。このGGCに多くの方が集い「グッドグリーフ」することを願っております。

 

箱根旅行にて「妻にありがとう」

Y・K千葉県

社員旅行も辞退し続け、団体で行く旅行は十年ぶりです。同じ境遇の仲間という気安さとミーティング仲間の飲会で行こうということになって参加しました。
 当日は、皆さんの願いが天に通じたのでしょう、晴天に恵まれ快適な旅でありました。芦ノ湖も富士山も相模湾もすばらしい景色を見せてくれました。今回の旅行で一番印象に残ったのはポーラ美術館の見学です。所蔵数の多い大きな美術館だったのですね。その中でも私はルノアールとシャガールの絵にしばらく見入っていました。新婚の年、長男を身ごもった妻と箱根に旅したことを思いだしたのです。季節もちょうど十一月の終わりころで、少し冷え込んだ朝の強羅を妻と腕を組んで散歩していました。生まれてくる子供と妻への愛おしさと幸福感で舞い上りそうな気分でありました。シャガールの絵に描かれている、手を取り合って空を舞っている男女の姿はまさにあのときの自分だなと思ったのです。そして、少女を見つめるルノアールのまなざしの優しさ。妻と子供たちが私に同じような思いをさせてくれたことを改めて思いました。すばらしいことだったのですね。
 それからカラオケも十年ぶりです。皆さん結構、歌いなれているようですね。私は古い歌で恐縮でしたが二曲も歌わせてもらい、これも大満足でした。
 ミーティングの仲間以外にも知り合いが出来たことも収穫でした。
 旅行を企画してくださった、理事長はじめ池羽さん幹事の皆さんに感謝いたします。来年も参加できることを願っております。

ほほえみながら癒し旅

K・K(埼玉県)

十一月十二日()集合場所は丸ビル横。此処へ来たのは何年ぶりだろう。迷っていたら、幹事さんがバスから身を乗り出して呼んでくれました。
 共に心に傷のある仲間たち、中には長崎県壱岐の島から、はるばる参加された、まばゆいばかりの美人書店主も居て、華やいだちょっとうれしいようなはずかしい気持ちで乗り込みました。
 小田原からは理事長を先頭に六人。焼津、四日市からの参加の方も乗り込み、総勢二十九名。皆様、遠路ようこそいらっしゃいました。
 元旦の大学駅伝の箱根路を登って、森に溶け込んでいるようなポーラ美術館へ、よくも集めたマネ、モネ、ドガ、キュービズムの巨匠ピカソ。シャガールの「空に浮かんだ青い衣の人」は、我が天国の妻でした。ちょっぴりうれしい。
 夜の宴会は、いきなりカラオケのオンパレード、宴の後もカラオケ三昧、残りの人は「談話室」とは異なった悩み、悲しみ、身の上相談、気がつくと十二時を回っていました。
 翌日は雲ひとつない青空、芦ノ湖には遊覧船が浮び、富士山は雪を冠って雄雄しく聳えたち、見る者を浄化してくれます。紅葉は、始まったばかりで今ひとつ、残念でした。
 箱根神社には、七五三の着飾った親子、結婚式の白無垢姿、これらを遠く眺めて、淋しくほほえむ。
 小田原で献上蒲鉾(百%魚肉)、上板(十%山芋入り)などの自分へのお土産を手に、久しぶりの気分高揚の旅は終わりました。
 それにしても、この後のこのむなしさは何なのだろう。
   
“いやはての紅葉さがして癒し人”

楽しかった二次会

T・A(東京都)

 山では楓・楢などの木々が色づきはじめ、渓谷のせせらぎに彩りを添えている箱根路でした。
 平素は一同に会する機会はなく、年に一度の旅行は七夕の彦星・織姫様のように盃を重ねて喜びを共にしました。一番のお楽しみ、宴の後はカラオケ、飲み会等等お好みに応じての二次会。
 私は「秋の夜長をおしゃべりしましょ」のお仲間入りをしました。
 始めは静かな語らいではじまり、段々とほんわかとした温泉の温もりとアルコールの酔いが相まって舌も滑らかになり、色っぽい艶っぽいきわどいの三拍子そろった、たくさんのためになる話(?)で盛り上がり、日付が変更になる時間まで続きました。開放された旅の夜ならではの思いがけないこのおまけは、蒲鉾の次に美味しいお土産になりました。この部屋に来られなかった方達は、とても残念でしたよ。この楽しい続きは来年の旅行までお預けにしましょう。
 ひと足先に星になった各々の彦星・織姫様たちも苦笑と微笑で見守ってくれたことでしょう。
 喧騒と煩雑な日々の合間にこうした自然と仲間との触れ合いが如何に必要か実感したこの旅。
 計画遂行して下さった「ほほえみ」とお世話役の皆様本当にありがとうございました。

共倒れになるよりも

Y・H(東京都)

主人が亡くなってから早いもので、もう十年になります。「ほほえみ」にはミーティング等いろいろとお世話になりました。
 十年たちましても、まだまだ淋しく思い出にひたっております。
 私は一生、生きている限り淋しいのでしょう。主人は急に亡くなりました。今はそれが本当に有難いと思うようになりました。
 姉は旦那の看病で脳出血を起こし、この間、亡くなりました。
 友達の中には、十六年もご主人の看病をしている人や老老介護をしている人もいます。そういう実例を聞くと、今の私だったら共倒れになってしまいますので、お父さん有難うという気持ちになりました。

 

柿沼勇夫さんの絵手紙

 

 

私の人生の三章節

R・K(東京都)

私は、人の一生、誕生から命の終わりまでに、大きく分けて三つの大きな節目があるなあ〜とつくづく思っています。
 第一章節 この世に生を受け、両親、兄弟、と過ごす独身時代。
 第二章節 最愛の伴侶に出会い、愛しい子どもをもうけ共に育み、小さくても暖かい我が家を建て、人生のうちで最も輝かしく、幸福な時。
 第三章節 伴侶との別れ。
 早すぎる主人との別れは、二年たっても思い切れません。時間は心を少しだけ癒してくれましたが、 主人のことは忘れられません。
 第二章節の三十六年間は主人によって輝いていた私でしたが、今は陽炎のようです。この先何年こんな時間を過ごすかと思うと悲しくなりますが、仲間と共に慰め労わり合い、少しずつ元気にならなければと思うこの頃です。