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私共の会員の方々も一人暮らしの方が多くなってきました。
今月号は今までと少し視点をかえ、社会的な面から一人暮らしについて考えてみたいと思います。
わが国も戦後60年余りが経ち、この間、平均寿命は昭和22年の男性50・06歳、女性53・96歳に比べて、平成17年には男性78・53歳、女性85・49歳と男女とも約30年も急激に伸びています。
その結果、世界でも最も早い速度で高齢社会になろうとしています。
これに加えてわが国戦後社会の変化に大きな影響を与えたのが大家族制から核家族への移行です。このことは「家」から「個人」への流れに変わったことを意味しています。これを反映して、一世帯の平均人数も50年前の5人から今日では2.6人へと約半分になりました。このような家族の核家族化による分散・分解の状況により、心の面では死別の悲しみを家族間で共有し、消化できなくなってきているといえます。また、このような社会のあり方の基本となるものが大きく変化した結果、今までになかった、あるいはあまり問題にもならなかった問題点がクローズアップしてきたのでした。
老後について、介護、尊厳死、遺言、葬儀、相続といった問題が自分自身はもちろんのこと、家族を巻き
込んだ形で皆様が想像されている以上に不幸を招いている点です。
たとえば、相続につては争族≠ノなる可能性があることを誰でもが予想するようになりました。それを裏付けるように、家庭裁判所における遺産分割事件(調停・審判)は1年間に1万2632件(2006年最高裁判所・司法統計年報)にものぼっています。
そして、裁判所までは行かない、複雑な相談件数はその10倍弱はあるだろうともいわれています。その内訳は特別な金持ち、財産持ちの人たちではない普通の人たちが主体だというのです。
その他の問題点についても思いつくままに例をあげてみましょう。
【老後】
今まで銀行口座から現金を
カードで下ろせたのに、この前銀行に行ったらどういう訳か下
ろし方がわからなくなり、銀行の人に手伝ってもらって、やっと下ろせました。こんなことでは今後どうしたらよいのか悩んでいます。
【尊厳死】
私の父はもはや治る見込
みはなく、植物状態です。医師の話しでは、人工装置により10年以上も生き永らえることもあるそうです。それを考えると、父の医療費に私たちが、今後どれほど耐えられるか暗澹たる気持ちです。
【遺言】
父親が自筆証書遺言書を作って残してくれたのですが、検認手続きを受けるために開封せずに家庭裁判所に持参したところ、日付が4月10日としか書いていないため、結局無効になり、父親の遺志はないことと同じになりました。そのため財産相続をめぐって兄弟でいがみ合いが続いています。
【葬儀】
父親が突然、心筋梗塞で亡くなりました。とにかく葬儀社にお願いしたのですが、誰を参列させるべきか、遺影はどれにすべきかなどでパニック状態になり母と息子の私は、父の死を悲しむ心の余裕もありませんでした。
【相続】
私たちは女2人、男一人の3人兄弟です。父親が亡くなり、母親が生きている時はまだよかったのですが、母が亡くなった途端、弟が「実家の土地・建物
は自分のものだからな」と言い出し、それに反対しようものなら何をするかわからない剣幕で食ってかかってきます、・・などなど。
一人暮らしに関係することで、生
涯未婚率という統計があります。それによると、2005年度は男性15・4%、女性6・8%です。そして、1990年生まれの女性の25%は生涯未婚になるだろうと推計されています。「これまで国の年金制度や
企業の扶養手当などは正社員の夫と専業主婦の妻、子という標準世帯を想定してきたが、個人単位の設計に見直す必要がある」といわれるほどになりつつあるのが現状なのです。

会員の皆様の中にはもうすでに一人暮らしをされておられる方もいらっしゃいます。このような方々に私から一つアドバイスをさせていただきます。
一、「エンディングノート」を購入し、出来るだけ細かく書いておくこと。
二、人はまず身体が衰えます。ですから、日常生活上の金銭の管理をし
てもらう人を決め「財産管理等の委任契約書」を結んでおくこと。
三、次に人は頭が衰えます。成年後見制度の「任意後見契約の移行型」を結ぶこと。これは二、三を合わせた内容で契約できるもので、公正証書のヒナ型があります。
四、「尊厳死宣言書」を公正証書でつくること。ヒナ型があります。
五、「公正証書遺言書」をつくること。
以上5点ですが、二、三、四、五は公証役場で公正証書で一日でつくれます。二の受任者(後見人)と、五の証人二人、それと本人計4名で各自実印を持って行きます。費用的には遺言書の財産金額にもよりますが10万円前後で終わるはずです。紙幅がつきました。これ以上お聞きになりたい方は『談話室』においでください。
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